〜住まい手様との
エピソード〜

「マンションリフォームを考えたきっかけのひとつは“床”でした」 マンションではよく見かけるホワイトの合板フローリング。傷や汚れは、年を重ねるごとに少しずつ目立ち始め、夏場のベタつきも気になっていました。あと10年や15年はリフォームなしでも十分住めるけど、「気に入らない状態でその期間を過ごすか、大きく直して気持ちよく過ごすか」とそんな思いがありました。

古くなっていくだけの新建材から、傷も味わいに変わっていくいく木の無垢材で気持ち良く過ごしたい。子供の成長に伴って間取りも合わなくなってきたこともあり、今回、思い切って「木ノベーション」を選択しました。( 奥さま談)

木の香る、暮らし向上型リノベーション


施工例ギャラリー

 

動線

水周りを含む大胆なレイアウト変更によって、家の中に行き止まりがない「回れる動線」が確保されました。キッチンを囲んでの家事導線が生まれ、「人と風」が回る暮らしを大切に考えた設計です。 キッチンとバスルームとの間にパントリー、洗濯機、洗面が直線的に並んでおり、レイアウト変更により確保されたこの「裏」動線が、部屋全体の回遊性を確保し、家事の効率化にもつながります。

アイランドキッチン

大きく姿と場所を変えたアイランドキッチンはオリジナル。 背面がガスコンロとその横がキッチン収納。キッチンに繋がるように、タモのダイニングテーブルも新たに造りました。テーブルは場合によって長さを足せる、跳ね上げ式の天板も設けています。

小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家
小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家

 

リビング

これまでの和室+対面キッチンは場所を代え、家族のくつろぐ広々リビングに。壁は全面、珪藻土左官コテ仕上げ。光を吸い込んでマットな落ち着いた表情を見せています。床高を10センチほど下げた「小下がり」畳敷きのリビングには、壁面にテレビボードを設けました。
また部屋の間仕切りもなくし、風の流れが滞ることなく通り抜ける心地の良い空間となりました。食事の後は畳でゴロンとくつろぐことも。

小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家
小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家

 

こども部屋

小下がり畳のリビングと子供部屋仕切る壁面には、小窓を設けました。 部屋の上部も開き、心地よい風と光が入ります。大きな引き戸が付き、開け閉めも容易になりました。

小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家
小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家

 

サンルーム

窓面には室内干しもできるサンルーム。1畳ほどの空間ではありますが、とても気持ち良い居場所になりました。

小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家
小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家

 

浴室

以前は物置部屋になっていたお部屋があった位置にあえてお風呂を持ってきました。 毎日使う所に、光と風を感じる心地よさは、これまでのマンションの常識を覆す提案です。

小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家
小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家

 

玄関

扉を開けると、玄関まで施された「珪藻土壁」により、マンションとは思えないクリーンな空気を感じます。 玄関・ホールの天井まで、杉の羽目板張りが続きくことで部屋に奥行きが生まれ、無垢材好きには溜まらない空間になりました。
また壁面全体を利用したシューズクロークを設置し、大容量の収納になりました。上吊りの引き戸は、普段は身だしなみを整える鏡に。引いてみると壁の中に納まったり、建具が重なったり・・いろいろな動き方をします。分電盤もこちらに収納してスッキリ。

小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家
小下がり畳リビングと造作アイランドキッチンのある家

 

〜おうちの話〜

築13年、70㎡のよくある典型的な間取りのマンションのリノベーション。
今回は、表面を「キレイにする」だけではなく、水回り等の間どり変更に加え、床の遮音性能、壁などの断熱性能をしっかり考え、向上させたマンション版「暮らし向上型リフォーム」です。まずは、スケルトン状態まで解体し、ペアガラス内窓を設置、断熱ブラインドも設けて断熱改修。
間伐材のヒノキを使った木毛セメント版の乾式二重床に、杉30ミリ厚の幅広フローリング、さらに、壁は全て珪藻土塗り壁、大工さんお手製の造作キッチンや家具など、マンションとは思えない「木の家」が出来上がりました。